太陽光発電を設置すると、発電量や消費電力をモニタリングできるコントローラーがもれなく付いてくる。太陽光の発電量が自宅の電力消費量を上回ると、余った電力が電力会社の方に押し戻される仕組み(系統連携、逆潮流)があり、この状態を見ることができるのだ。通常の一般家庭の売電契約(余った電力 = 余剰電力のみ売る)の場合、プレミアム価格で買い取ってもらえるのは10年間だけ(事業用の全量買取の場合は20年間)になっている。これを過ぎると、逆に普段使っている時の電力料金より無茶苦茶安い価格になる。うちの場合、1kwhあたり48円で買い取って貰っていたのだが、一昨年から8.5円になった。
太陽光発電の場合、夏は日が高いので発電量が多くなり、エアコンのパワーが必要な時間帯でも、ほとんど電力を買わずに済んだりする。逆に冬は日が低く、発電しない時間帯の方がエアコンのパワーが必要になるので、節電にはそれなりの「技」を要する。オール電化契約なので、夜(正確には22時から翌朝8時まで)は電力単価が安い。例えば7時にエアコンを起動すれば、料金が高くなる前に室温が安定し、高価な時間帯にはあまり電力を消費せずに済む様になる。
話がそれてしまった。本題のエコキュート(給湯器)の話に戻そう。太陽光発電のコントローラでは家一件まるごとの消費電力が表示出来るのだが、エコキュートの消費電力はなぜか加算されていない。配電盤を見てみると、
右上の黒いケーブルで外から入ってきて分岐台(写真左上)に入り、ここでメインブレーカー(写真右)とエコキュート用ブレーカー(写真左下)に分けられる。見ての通りメインブレーカーに分岐したラインにセンサーが取り付けられている。なぜこの構成にしているのか分からないが、これだとエコキュートの電力は加味されず実際にどのくらい電力を買っているのか・売っているのかわからない。エコキュートを稼働させてクランプメーターで測定してみると、およそ0.9kwの時と1.5kw(電流値から力率1として換算)の時が有ることがわかった。たまたま初めて測った時は0.9kwだったので、コントローラーで余剰電力が1kw位あればエコキュートを稼働して無駄に高い電力(時間帯別の電力料金は夜安い代わりに昼は割り増しになっている)を買わずに済むと思っていたのだが、最近1.5kw消費する事もあると言うことがわかり困った。いちいち配電盤を開けてクランプメーターで測定するのも面倒だ。と言う事で、またまたAmazonのお世話になる。探してみると2000円程でスプリットコア型の電力量計が見つかった。ちなみにコアの巻き数は1000。
電圧入力(本体の電源兼用)と電流センサがあるので、電流・電圧・電力・力率・周波数、そして積算電力量を見ることができる。本体にはスイッチ(押しボタン)が1つあり、ワンプッシュでバックライトのOn/Off、長押し3秒で過負荷アラーム用設定(使ったことは無い)、そのまま2秒(長押し5秒)で積算電力のゼロクリアができる。ちなみに、このメーカーのクランプ型ではない直列型の電力量計(PZEM-021)も同じ操作方法だった。
で、スプリットコアというのは電流センサであるが、通常であれば測定したいケーブルをリング状のコアの中に通す必要があるため、ケーブルを一旦外さなければ(切断しなければ)ならないのだが、コアを「パカッ」と半円形2つに分割してケーブルに設置後元に戻すことでケーブルに手を加えずにセンサーを付けられる、便利なコアの事だ。
CTコアにケーブルを通す時は、
よのように開く。このCTをエコキュートの給電ラインに取り付ければ完了。
となるところだったのだが、この電力量計を動作させるためには電源が必要になる。ここですっかり忘れていたのだが、たまたま設置場所の近くに適当コンセントがあったのでこれを使ってしまった。エコキュートを稼働させてしばらく様子を見る。消費電力なんかおかしいと思ったのも束の間、電圧表示を見て思い出した。電源を200Vで取らないと駄目じゃん。
電源100Vだと電力表示が実際の半分になってしまう。まあ取りあえずは頭の中で2倍に換算すればいいけど、いずれは直さねば。でも200Vを分電盤から取るにはメインブレーカー落とさないといけないから、ちょっと面倒。最近の分電盤だと簡単に切り替えられる物もあるみたいだけど…
※作業には電気工事士の資格が必要です。