富士山の「弾丸登山」

メディアでは、「山小屋で泊まって高度順応して登頂すべし」とか、ネットを見ていると「宿取ってない人は入山禁止すれば」みたいなコメントをよく見る。なんだかな〜という気持ちだ。

安易に、途中一泊すれば解決みたいな感じに取れるが、そんなに単純なものでは無い。実際にはコースタイム・標高差だけを見れば、東京都最高峰の雲取山をメジャーな登山口(鴨沢)からアプローチするのとあまり変わらない。もちろん富士山の方が標高自体が高く空気が薄いので、高度障害のリスクは大きく異なるが。私は二十歳代の頃に会社の仲間と登頂した。この時は前日に富士五湖の西湖にキャンプ泊、翌日の早朝出発し車で富士吉田口の五合目に駐車(当時はシーズン中でも自家用車で五合目まで行けた)。そこから山頂に向かい、夕方には下山出来ていた。

で、だ。これは普通の、富士山以外では普通の登り方なのだが、いわゆる富士山の弾丸登山では「山頂でご来光を拝む」という目標のために夜中に登山するわけだ。特に後半はガレ場・岩場があり、これを非難するのはわかる。7合目・8合目の山小屋で宿泊して登れと言うのもうなづけるのだが、問題はこれ以外にもある。例えば山小屋に泊まったとしても、山頂でご来光を拝むために早朝1時とかに登山開始して山頂を目指す人も多いようだ。普段の生活と全く異なる時間帯に活動開始すれば、体調万全で登山という訳にはいかない事は想像に難くない。

何が何でも「山頂でご来光」というワケのわからん観念に縛られるのは何なのだろうか?。

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